あなたの為という暴力

自分ひとりで生きて行く、

 

というのは自分にはできないとわかっていた。

ただ温かい家庭が作りたかった。

それだけだった。

 

でもいっこうに、そうはならなかった。

 

こちらに来る前に感じた違和感。

こちらの相手に望む事と、

私に望まれていることと。

 

それが男女の関係ではないことはとうにわかっていたはずだった。

だから、自分の中にある光、

それのみを信じてひたすら生きた。

 

そのまま感じた通りの関係で数年が過ぎた。

自分に対して、自分が偽りでしかなかった。

 

認めたくなくて、

求められるような姿を振る舞ってみた時もあった。

認めたくなくて、

いつでも一人でいることのできる準備をしていた。

 

私の本当の姿を信じてくれていたのに、

自分で信じられなかったのは、私だけだった。

 

私のわがままに付き合わせた罪悪感だけが残った。

 

お互いが悪く言われないように、誰にも相談しなかった。

 

ずっと苦しかった。本当はどうしたいのかさえ、見えなくなっていた。

 

誰も悪者ではない。

ただ求めるものが違っただけ。

 

憎しみや怒りを持ってしまっては、すぐには戻れない。

そこにあるのは『あなたの為』という愛情と勘違いした暴力だった。

 

どうするか。

もう相手の為に何かしても、責め合うだけなのはわかっていた。

そんな関係でも、根底には愛があることがわかっていたし、信じたかった。

誰も責めて欲しくなかった。

ただその事実があることを、受け入れようとした。

 

父に聞いた。

『お父さんが幸せな時ってどんな時?』

『家族が幸せな時。』

男の人の愛情を、受け取れていないのは私だと気づいた。

 

もう、自分が変わるしかない。

決断をした。

 

思い切り、自分らしく、誰に何と言われても、幸せに生きる。

ただそれだけを選択した。

 

できないことはできないと言った。

辛いときには泣いたり、人に相談することも、こちらに来て初めてした。

 

色んなことに気づいた。

一番は、自分が本来どんな人だったか。

何をしたら楽しいのか。

何をしている時に、自分が無理をしているのか。

 

ひたすら行動して、時には一人で向き合った。

いつも支えてくれて、見守ってくれている人たちがいることに気づいた。

 

それは父が注いでくれている愛と一緒だった。

 

 

今日、集落で回す回覧板の名前を 『石黒』 に変えた。

 

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この投稿は2016年8月19日5:09 PMに公開され、未分類 カテゴリーに分類されています。 パーマリンクをブックマーク この投稿へのコメントを RSS フィードで購読できます。

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